カラダの細胞や魂が喜ぶ、いのちのつまった野菜つくりを追求し、自家採種、無肥料、自然農、自然農法、自然栽培を実践中。農薬を使用しないのではなく、そもそも使用する必要がないことが健康の証です!


by shizenchiyuryoku

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キャベツの原種

前回の「日本人が食べるべきもの(重要)」の記事で、地中海原産のキャベツを例にあげました。

今回は、キャベツの原産地・原種を訪ねましょう。

素晴らしい案内をしてくれるのは、池部誠さん著作の本、「野菜探検隊 世界を歩く」、「野菜探検隊アジア大陸縦横無尽」、「遥かなる野菜の起源を訪ねて」です。

池部さんは1980年代に、日本の野菜はほとんどが海外のものであるのに周りの日本人はそれを意識していない、研究もされていないことから自分で原産地と原種を見てやろうと、世界を訪ねたのです。面白い!しかも原種の写真があるから、どのような土地に育つのか、すぐにイメージできる。お勧めの本です。

以下は著書から略して引用しています。早速、原産地を訪ねましょう。

・キャベツが日本に渡来したのは江戸時代末期だが、本格的に日本人の食卓に登場したのは第二次大戦後である。コロッケやとんかつの付け合わせとして刻みキャベツが登場した時はとても新鮮だったし、ロールキャベツになると何とうまいものが出てきたのかと驚嘆したものだ。

・キャベツの故郷は地中海沿岸である。栽培キャベツの祖先のひとつである野生キャベツがエーゲ海沿岸の岩場に育つ野生の「ブラシカ・クレティカ」として見つかった。クレティカはキャベツの祖先のひとつであり、カリフラワーやブロッコリの祖先である。クレティカ以外では、ルペストリス、インカナ、インシュラリスが原種と考えられる。

・野生キャベツに結球したキャベツはない。結球は人間が栽培化してからの現象だと考えられるが、いつ、どこで成立したかはよく分かっていない。

・紀元前3世紀のローマ人のプルニウスの書いた植物誌によると、ギリシア人は3種類のキャベツを食べていた。ひとつは巻葉キャベツで彼らはその葉がセロリに似ているのでセリナスと呼び、胃の薬や便通剤として使っていた。ふたつめはヘリアといって広い葉が茎から外に拡がっている。第3のキャベツはクランベと呼ばれ、その葉は薄くひどく密生しているが、もと苦みがあっていっそう効能があるそうだ。
(注)どのくらい巻葉だったのかは不明である。

・トルコの地中海沿岸にプリエネというギリシア時代の遺跡があり、その神殿の後ろに高さ200メートルの大岸壁があり、そこにもクレティカがあった。多年草で茎は木のようであり、葉は二、三度噛むと大根の葉のような苦みがした。


では、池部さんの貴重な原種の写真を一部だけ紹介します。
d0190369_2144562.jpg

地中海のクレティカ。写真中央のやや下。


d0190369_2171577.jpg

ルペストリス。イタリアにて。(ケールに似ているな)


いかがですか。海に面し、潮風の吹く石灰質の岸壁です。とても日本の黒々として、ふわふわに耕された畑とは環境が異なりますね。雨も少なく、東京の年間降水量1500ミリに対して300から700ミリです。土壌もアルカリ性に近いと思われ、日本の酸性気味の土壌とは別物でしょうね。以前訪れたイタリア・フィレンツエのコスタンツアさんの石の畑の意味がわかる気がします。
「Toscana & Provence」
http://eatyasou.exblog.jp/14734553

いいたいのは、日本風土とは大きく異なる故郷のものであり、身土不二ではないですよね、ということです。

もっとも、日本のキャベツは日本の風土で育った全く別の作物であるから、良いではないか、との考え方もありますね。

確かにそう考えたこともあるのですが、やっぱり違うと思いますよ。

なぜか。

ひとつは、無肥料の日本の風土では、うまく育たないから。
(肥えた土を必要とします。肥えた土、というのも喜べることばかりではありません。理由はそのうちに。。。)

二つ目に、かなり虫に食われるのは、どこか不自然であるから、また窒素過多の肥満体であるからだろう、と考えます。農薬かけないとそれなりに虫に食われます。


さて、当時、池部さんと同じ考えを持ち、すでに実践していた人がいます。

緑健農法、原産地農法、永田農法で知られる永田照喜冶さんです。永田さんは原生地に近い環境を、岩交じりの痩せた畝を作ります。そして日本の一般的な多肥料栽培を否定します。それでおいしい、甘い野菜を作ります。

永田さんの理屈はとても納得できます。私も、岩交じりの畝を作りたくなりました。


しかし。。。待てよ。

うまい野菜は間違いなく出来るだろうが、それは日本人が永続的に健康でいられる作物なのだろうか。温暖湿潤の風土でできた日本人の体を作るのにふさわしいのか。

キャベツ等は美味しいけど、深く考えないでそういうものばかり食べていて良いのか。

そんなことを考えておる最近です。  (でもキャベツ好きだよ。時々は食べたいね)









by shizenchiyuryoku | 2013-10-14 21:24 | 基本的な考え方 | Comments(0)

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