カラダの細胞や魂が喜ぶ、いのちのつまった野菜つくりを追求し、自家採種、無肥料、自然農、自然農法、自然栽培を実践中。農薬を使用しないのではなく、そもそも使用する必要がないことが健康の証です!


by shizenchiyuryoku

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学会で認められる不耕起・草生栽培


独立行政法人 農業環境技術研究所主催の公開セミナー「農業生産を支える土の中の小さな生物」を聴きに行ってきました。


セミナー開催趣旨および講演内容をパンフレットから引用しますね。

「農業環境技術研究所は、環境にやさしい農業技術の開発のための基礎技術として、農耕地に生息する微生物・小動物の多様性や機能を長年研究してきました。このセミナーでは、この分野で先進的な成果をあげている研究者をお招きして講演いただくとともに、農業環境技術研究所で得られた研究成果を交えて、農耕地の微生物・小動物の機能や多様性を明らかにする研究や、土壌生物の機能を持続的な農業に生かすための研究を紹介します。
 普段目にする機会は少ないのですが、畑の土壌には多種多様な動物や微生物が生息しています。農作物に害をもたらすものもいますが、良い働きをするものや、機能がよくわかっていないものもたくさんいます。
 果樹園や自然栽培の畑など、耕うんを減らしたほ場では、とくにこうした土壌生物の多様性が変化し、さまざまな機能を発揮していることが明らかになってきました。今日、こうした土壌生物の機能を利用して、環境にやさしい低投入・持続的農業生産への移行が叫ばれるようになり、さまざまな生物の有用な機能を農薬や肥料の代替として活用して、減化学農薬や減化学肥料のために役立てようとする研究が、さかんに進められるようになってきました。

開催概要
主催: (独)農業環境技術研究所
後援: 日本土壌肥料学会、 日本土壌微生物学会、 日本土壌動物学会、 日本線虫学会

講演内容
「やっぱりミミズのいる土は良い土だった ―土壌生物が植物の生長を支えるしくみ―」
  金子 信博:横浜国立大学
「農地におけるミミズの役割」
  金田  哲 :(独)農業環境技術研究所
「カバークロップ利用と不耕起栽培による炭素蓄積と土壌生態系応答」
  小松崎 将一 :茨城大学
「農耕地土壌における線虫の生態とその利用の可能性」
  岡田 浩明  :(独)農業環境技術研究所
「農法が土壌線虫の多様性に及ぼす影響」
  荒城 雅昭  :(独)農業環境技術研究所
「農業における植物内生菌の可能性」
  杉山 修一 :弘前大学
「微生物相解析結果を用いた土壌病害の診断」
  對馬 誠也 : (独)農業環境技術研究所

引用おわり



ちょっと専門用語が多いですが、一例だけご紹介しますね。

 茨城大学農学部の小松崎将一教授は、耕うん方法とカバークロップ作付との組み合わせによる耕地内循環システムの研究等を行っています。
 畑作の休閑期間中を利用して栽培されるカバークロップは、圃場での有機物生産を通じて、土壌にとって不可欠な土壌有機物(腐植)を供給し、さらに有機態窒素供給による肥料的効果,土壌表面被覆による風食防止、残留窒素の回収による窒素溶脱防止、アレロパシー作用による雑草防除、有害な線虫の抑制など、化学肥料や農薬への依存度を下げ、土壌を肥沃化させる多面的な効果がある。としています。
 カバークロップ利用で微生物数は増加し,不耕起栽培では土壌表層で増加した。大型土壌動物は不耕起栽培で増加した。土壌動物はカバークロップ窒素の利用を促進し、不耕起とカバークロップの組合わせ利用で耕地内の窒素循環促す土壌生態系を構築する可能性が示唆された。

このような内容を表やグラフ、写真等を使用しながらわかりやすく説明してくださいました。また、大学内での10年に及ぶ実験だけでなく、自然農を実践する農家の畑も調査し、多くの有意なデータを提供してくださいました。

また、弘前大学の杉山修一教授は、奇跡のりんごで有名な木村秋則さんの畑を10年以上調査されているし、
横浜国大の金子教授も自然農の川口由一さんの赤目塾の畑を調査されています。



私はすごく嬉しかったです。

今の農政は、大規模化や生産効率(=経済効率)に特化した方向に進んでいると思っていました。従ってアカデミック(学会)も当然のように、その方向の研究(農薬や化学肥料の研究、遺伝子組み換え、あるいは土を使わない農法等)ばかりに費用をかけているものだと思っていまして、要するに私が追求している考え方や自然共生のメカニズムを活用する農法なんて、変わり者の少数派が細々とやる方向へ追いやられているのだ。このような方向は、今まで独学で学んできたし、これからもそうであろう、と思っていました。

ですから、学会がこのような趣旨でセミナーを開催すること、そしてバックにはもちろん農水省がいますから、官学がようやく少しづつ動き出したのだ!と感激したわけです。
ちょっと大げさですか?

講演された内容の一部は、すでに私が今まで体験して確信を持っていることでしたが、私がそれを他人に伝えようとしても、農薬化学肥料消毒の慣行農家や、資材が違うだけで基本的考え方が慣行と変わらない一部の有機農業者にはまったく伝わらないのです。私もそうですが、誰でも自分のやり方は良いと思っているから。ですが、学会や農政から客観的データとして提供されれば、少なくとも頭の中では客観的に理解するわけですよね。(感情的に、あるいは別の要因でやり方を変えないことはあるでしょうが)。

「草はとらないと駄目だ。」
「肥料をやらなきゃ作物は育たない。」
「農薬なしでできるわけがない。」
「畑は草ひとつなく、きれいに使わなければならない。」
等の今までの慣習は、客観的事実の前では、何の裏づけもないものに変わるわけです。

今回のセミナーの内容に関して言えば、
「不耕起・草生栽培や無肥料栽培、自然農、自然農法、自然栽培が、実際の実験データによって認められた」ことになります。
さらに、それによって栽培された作物は、栄養成分や品質において優れていることもおっしゃっていました!(パリのグランシェフに食べてもらいたい)


今までも、例えば、
団粒構造の土壌が優れていること、
窒素は自然共生のメカニズムで循環していること、
微生物(菌)と植物の根との共生関係
等々について解明され、文献としても出版されていましたが、今後はこの分野の研究が加速度的に進むことを、そして研究成果が産官学そして農家へと早く普及されることを、心から願っています。



話変わって、私の畑。
大麦とカバークロップの雑草たち、菜の花とカバークロップの雑草たちも共生してるね!
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by shizenchiyuryoku | 2015-03-21 21:35 | 基本的な考え方 | Comments(1)
Commented by shizenchiyuryoku at 2015-05-26 00:25
pryerfeelさん、こんばんは。
除草剤がまかれたかどうかは、あるいは、まかれたとしても土が回復しているかどうか、私は草をみて判断します。草は土の指標であり鏡です。草を見る方法は、何だと思いますか?道端の草や畑の草を観察しているとなんとなくわかるのですが。
仮に除草剤がまかれていても、時間をかけて回復は可能と思いますよ。

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