カラダの細胞や魂が喜ぶ、いのちのつまった野菜つくりを追求し、自家採種、無肥料、自然農、自然農法、自然栽培を実践中。農薬を使用しないのではなく、そもそも使用する必要がないことが健康の証です!


by shizenchiyuryoku

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ゆく河の流れは絶えずして

天気の良かったゴールデンウィークも過ぎました。

毎年のように書いていることですが、3月から4月の菜の花が咲き乱れる時期は強烈な感覚を覚えます。種を採るために咲かせている花は、モノ(種を手に入れる手段)としてみてしまうところもあるのですが、あえて交雑させて自然に任せている菜の花の近くに立つと、一種のトリップ覚醒状態になります。

春の日差しを温もりとして体で感じ、逆光の中で茎や葉の輝く様子を見て、そして蜜を求めて飛び交う虫たちの羽音を連続して聞く。そうして心を静かにすると、今自分が現実にいるのではなく、別の世を見ているかのような感覚になるのです。

その世は、自然の理がすべてであり、あるいは神のもとへいく世界なのかもしれませんが、とにかく人間の理屈は一切関係のない世界なのです。

時間はゆっくり流れ、しかも規則的に繰り返され、ある生き物が生まれ、変化し、死ぬ。そして新たな生き物が生まれ、繰り返す。すべての生き物は生きるために必要なことを為すだけです。

植物は、自身の子孫を残すために、花を咲かせ、昆虫を呼び込んで受粉をし、種をつくる。いままで自らの成長のためにつかってきたエネルギーを、種を残すために使い切る。そのために、葉は光を受けて光合成をし、根は養分を吸収する。すべての器官がその目的のために活動しています。

今年、その世を見つめてトリップ状態で思ったこと。
現代に生きる私や私たちが選択している暮らし方や政治、経済優先の社会など、疑問に思うことは多いけれど、長い歴史の中で(人間の歴史あるいは生命の歴史)は、間違った選択をすることもあろうけれど、長い目で見れば、絶えず変化をし、行き過ぎがあれば修正があり、大河の流れのように流れていくのかな、ということ。だから、小さなことにこだわりすぎず、抗うことをせず、生命を全うすることに集中すべきなのかと思ったのです。このことが、正しいとか、一生変わらないもの、とかではなく、ただ菜の花のその世を見て感じたことです。

さらに思い出すのは、「無常」の考えです。無常とは、物質も心も一切のものは一時的に存在しているだけであって、瞬間瞬間で変わっていくものであることです。古くはブッダの教えであり、また方丈記や平家物語を思い出します。


「方丈記」
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人のすまひは、世々経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。

知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、たがためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その、あるじとすみかと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。


「平家物語」
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ。


そういうことを全身で感じられるのが、菜の花の季節です。(ただし、F1種や遺伝子組み換え等で種ができない植物は既に生物ではないのでなにも感じない!そして、ネオニコチノイド系の農薬使用でみつばちや虫が来ない沈黙の春の畑にも、絶対にこの世界は訪れません。さらに作物を換金商品としてだけ扱い、種を採らない畑にも、この世界は訪れません。)
「無常」を盛者必衰という悲しい見方でなく、自然の理にあったものを選択すれば明るく希望に満ちたものとなるという見方でいきたいと感じてます。

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すでに開花の最盛は過ぎ、さやをつけている菜の花。手前はさやえんどう。




by shizenchiyuryoku | 2015-05-09 21:36 | 基本的な考え方 | Comments(0)

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